筑陽学園高等学校TOP >九州大学エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス 育成プロジェクトに参加

本校生徒が九州大学エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス 育成プロジェクトに参加しました。

本校の中高一貫3年A組の鈴木大一くん、脇山史彬くん、野田尚貴くんの3名が九州大学理学部エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス 育成プロジェクトに参加しました。
この育成プロジェクトは、募集人員は20名で、書類審査、筆記試験、面接、小論文、レポート作成など経て選抜されました。
厳しい選考を経て、本校から3人が選抜され、鈴木くんは生物学セミナーに、脇山くんは化学セミナー、野田くんは数学セミナーにそれぞれ参加しました。
今年3月の研究発表会で脇山史彬くんは、優秀な成績を修めエクセレント・スチューデントとして表彰されました。

エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス 育成プロジェクトとは

九州大学理学部エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス 育成プロジェクトとは、科学技術振興機構の「未来の科学者養成講座」に採択されたプロジェクトです。
数学、物理学、化学、生物学の各分野について、強い興味をもつ優秀な生徒を選抜し、昨年の8月から今年の3月にかけて各学科で月2回、少人数セミナー形式で大学レベルの教育が行われました。
プロジェクトの後半では大学レベルの課題に取組み、3月には受講生による発表会を行われました。
専門科目について大学で十分通用する能力を身につけた受講生はエクセレント・スチューデントとして表彰します。
また、受講生だけでなく一般の高校生や市民をも対象とした年4回の公開講演会を開催されました。

九州大学|エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス 育成プロジェクト 公式サイト
http://www.sci.kyushu-u.ac.jp/html/mirai/

参加した生徒の研究内容と感想

◉ 脇山史彬くん

【研究テーマ】
浸透圧
【研究内容】
ナメクジの皮膚が半透膜であることを利用して、塩、乾燥剤、砂糖をかけ、体重の変化を調べ、何が一番効果的か調べた。
セロファン(半透膜)を使って、絶対温度や濃度を変化させながら浸透圧を測り浸透圧と濃度・絶対温度との関係を調べた。

浸透圧|脇山史彬
脇山史彬くんの研究発表資料【PDFファイル】

【感想】
今回のESSPでの活動を振り返ってみると、本当に「楽しかった!」の一言に尽きます。
未来の科学者養成講座という少し堅苦しい名前ではありましたが、実際には普段中々お目にかかれないような教授の先生方から専門的な内容を冗談混じりで学び、話し合う楽しいものでした。 「高校生だから知らなくていい。」とか、「高校生には必要ない」などという固定概念を取り払って授業をしていただいたので、高校の授業では省かれた化学における「物質の本質」という ものを学ぶことができました。
僕は、将来、どのような大学へ入学して何を研究したいのか、またどのような仕事をしたいのか、はっきりとは決めていませんでした。
しかし、この企画に参加させていただいたことで、化学を学ぶことの楽しさ、化学の多用途性や深さを知ることができ、自分の目標を明確化させることができました。
このESSPの企画で学んだ様々なことを自分への励みにして、目標が夢だけで終わってしまわないように精一杯勉学に取り組みたいと思います。

◉ 鈴木大一くん

【研究テーマ】
ハエの味覚研究
【研究内容】
今回、キイロショウジョウバエの味覚について研究しました。
キイロショウジョウバエ(以下ハエ)は、足の先の方にあるフ節、人間の口にあたる「吻」という部分に味覚子という毛のようなもので味覚を受容しています。
味覚子の先は4つの味覚受容細胞(以下味細胞)の先端が露出しており、そこに食物が触れることで、その味に応じて(ハエは水、甘味、塩味、苦味、を受容する)味細胞が反応し、神経を通じて受容されます。
今回の研究では、この4つの味覚受容がミクロレベル(遺伝子レベル)でどのような特長があるか研究をしました。

ハエの味覚研究|鈴木大一
鈴木大一くんの研究発表資料【PDFファイル】

【感想】
セミナーについては、全般を通じて写真や実物を見たり使ったりしたものだったので、とても分かりやすく、おもしろいものでした。
セミナーは、4つのセクションに分かれ、神経生物学、行動生物学、細胞生物学、行動遺伝子学となっていました。
私は、今回、行動遺伝子学の研究課題を担当しました。普段、私たちにとって台所の邪魔者でしかないハエ。そんな目の前にいる小さなものに、21世紀の科学の力でもっても知り得ない謎が眠っていることに感心しました。
私は、もっと大きな遺伝子病やウィルスといったものに目を向けて勉強していましたが、今回のハエの謎といった目の前、非常に身近なものに目をつけて研究していくことでも、大発見やすばらしい理論につながるのだということに気付かされました。
あらゆるものを総合的に、科学的に見ていくことが大切だということ、それが私が今回学んだ大きなことであり、また科学者になる上で必要な要素なのだと思いました。

◉ 野田尚貴くん

【研究テーマ】
オイラーの公式
【研究内容】
オイラーの多面体の公式
v:頂点の数 e:辺の数 f:面の数 とすると 凸な多面体なら
v-e+f=2
が必ず成り立つというもの。

オイラーの公式|野田尚貴
野田尚貴くんの研究発表資料【PDFファイル】

【感想】
僕は、このプロジェクトに参加し、大学レベルの数学を整った設備の中で学ぶことができて本当に幸せに思っています。
このセミナーでは、大学生の数学を学んだり、ケプラー予想やニュートンの13球問題などの超難問や未解決の問題に挑戦したりしました。
もちろん大学生でも難しい内容なので、高校生の自分にとっては理解できない部分もありましたが、「高校生だからここまでしか解けない」とか 「高校生だから超難問は解けない」というような壁を、実際に問題に取り組むことで、乗り越えることができたと思っています。
また、セミナーで学んだことは、高校の数学とも深く関わっているので、これからの受験勉強にも役立つものとなるでしょう。
セミナーの最後に、自分の研究内容を発表する研究発表会が行われました。
僕が研究したテーマは「オイラーの多面体の公式」で、vを頂点の数、eを辺の数、fを面の数にすると凸な多面体なら、v - e + f = 2 が必ず成り立つというものです。
なぜ、このテーマにしたかというと、小中高と今まで何気に接してきた多面体にも、ある規則が成り立っているということを知り、とても驚いたからです。
みなさんも、ぜひ、実際に多面体を描いて「オイラーの多面体の公式」を確かめてみてください。 このプロジェクトに参加して他校の高校生とも友達になり、たくさんの刺激を受けました。
最後に、このセミナーを通じて学んだことを述べます。
それは「学ぶことに終わりはない。」ということです。
この言葉を胸に、大学合格を勝ち取りたいと思います。
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